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ピッキングとフィンガリングのニュアンスでサウンド・キャラクターが変化するヴィンテージ・ファズは、出力されたギターサウンドを変化させる一般的なエフェクターとは一線を画し、プレーヤーの操り方によってサウンドの表情が変化する、つまりプレーヤーの力量でエフェクターのトーンバリエーションが引き出されるエフェクターです。

この魅力的なFUZZに惚れ込んだテキサス在住のギタリストLance Keltnerは、温度によって音質が異なる不安定さと基本的なサウンドバリエーションが乏しいといったプロのツールには致命的な欠点を克服したファズペダルの開発に真っ向から取り組み、Smart Belle Fuzzを完成させました。

以下はいままでベールに包まれていたLance Keltnerと彼が立ち上げたブランドであるSmart Belle Amplificationへのロングインタビューです。

Smart Belle Fuzz

価格  25,300円 (税込)

何年もの間、私は世界で最高のヴィンテージ・ファズペダルを好んで弾いて来ました。
お気に入りのファズペダルはTone Benderで、その中でも特に気に入っているのがMK2です。

ヴィンテージのファズペダルは、モデルの違いだけで無く生産年代による違い、個体差、人間で言うと個性があることは有名です。

私は素晴らしいファズを探し出すのに時間を費やしましたが、多くのステージで使用し、ツアーに持ち歩いているうちに摩耗や温度によってそのサウンドは

変化してしまいました。 もう高価なヴィンテージ・ファズをツアーで酷使したくはありません。

それらの経験や温度差によるサウンドの変化を克服するために、最高のMK2スタイル・ファズであるSmart Belle Fuzzを完成させることができました。

当社独自の技術により、この象徴的な60年代ファズの最高傑作のトーンを、経年劣化、部品の劣化、温度による変化なしに再現しました。

Tone Bender MK IIに標準装備のVolumeとAttackコントロールに加え、Smart Belle Fuzzには2つのコントロールが追加されています。トーンとバイアスです。

トーンは、ミック・ロンソンのボウイ時代のTone Benderから、希少なヴィンテージFuzz Faceのバイオリン・トーンまで、ノブを操作するだけで、時間を旅するかの如く様々なファズエッセンス得ることが出来ます。

Biasノブを使いこなすとより楽しくなるくらい多彩なサウンドに変化します。

新品状態のレアなTone Bender MK IIスタイルのペダルから、極端にローダウンした破滅的な不潔なペダルまでチューニングすることができます。

是非、Smart Bella Fuzzをコントロールする楽しさを味わってください。 気がついたらあなたはファズの沼にハマっているはずです。

Smart Belle Fuzzは、この魅力的なFUZZに惚れ込んだテキサス在住のギタリストLance Keltnerが、温度によって音質が異なる不安定さ、基本的なサウンドバリエーションが乏しいといったプロのツールとしては致命的な欠点の克服に取り組み、完成させたミュージシャンによるミュージシャンのためのファズペダルです。

“Mint” Setting

Lance KeltnerがターゲットにしたビンテージTone Benderがミントコンデションで奏でるサウンドが得られます。  NEW/VINTAGE

True Vintage

ヴィンテージTone Benderサウンドが得られるセッティングです。 BIASノブは好みに合わせて調整しますが、極端なセッティングでは壊れたようなサウンドです。 BIANを最大からから逆方向へ徐々に変化させファズのニュアンスを調整します。 ボリュームはお好みで。

Fuzz Face Land

最後のセッティングは、Fuzz Faceの世界に誘います。
エリック・ジョンソンのファズ・フェイス・トーンを彷彿とさせるダークで力強いハイゲイン・ファズサウンドです。

Lance Keltner インタビュー

あなたはプロギタリストして長年のキャリアをお持ちですが、プロフィールを教えてください。

10歳のときにギターを弾き始め、12歳のときにはオクラホマの怪しげなバーで演奏し始めていました。19歳のときにオースティンに引っ越し、Willie Nelson’s Austin Opera House(Willie Nelsonが1970年代にオープンしたライブ会場でRay Charls、Tina Turner、The Eaglesといったトップアーティストがライブを行ったことで有名)をリハーサルスペースとして使うという幸運に恵まれました。
Eric Johnson、 Van Wilkes、 Stevie Ray Vaughn、 Jimmy Vaughnと出会うことで、上達して一流のギタリストになるために必要なことを短期間のうちに学ぶことができました。

オースティンでバンドを組み、レコード会社から多くの注目を集めた結果、最終的にニューヨークのAtco Recordsと契約を結びました。
その過程で、Carmine Rojas(アメリカ人ベーシスト。David Bowie、 Rod Stewartとの活動で有名)やDream Theaterのプロデューサーを務めたDavid Pratorといった伝説的なミュージシャンたちと共演も果たしました。

EMI recordsのTim Karr、L.A. GunsのPhil Lewis、White LionのMike Trampのサポートメンバーとしてライブに参加したこともありますし、Rod Stewart 『I Can’t Deny It』のミュージッククリップでもギターを弾いています。またメンフィス・ブルーズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得したJohnny Rawlsのアルバム『Ace of Spades』でもギターを弾いています。
オランダのMascot recordsとも契約を交わして、何年間も自分のバンドでツアーを行ったこともあります。
最近ではLance Keltner and Nuevo Retroの新作の配給契約をSonyと結びました。シングルのミックスはグラミー賞受賞プロデューサーのRoss Hogarthが行いました。
これもまた最近の話ですが、フェンタニル(医療用麻薬)中毒の問題に立ち向かうために世界中のトップミュージシャンのコンサートを企画するConnor’s Heartという非営利団体を立ち上げました。

Austinに移られてからStevie Ray VaughnやEric Johnsonといったギタリスト達と交友関係を持つようになったそうですが、彼らからどのような影響を受けましたか。

前述の通り、Stevie Ray VaughnやEric Johnsonといったギタリストから、トーンのことについて信じられないほど多くのことを学びました。また演奏すべきでないことが何かも学びました。演奏すべきでないことを学ぶことは、何を演奏すべきかと同じくらい大切なことです。たくさんの音を弾くことは誰にでもできますが、ストーリーを語り掛けるようなソロを選んで弾くことが一番重要だと私は思っています。

またEricのトーンに対する細部へのこだわりからは、とても大きな影響を受けました。特にどのような演奏機材を選択するかという点で大きな影響を受けました。

 

プロギタリストとして多忙なあなたが、Smart Belleブランドを立ち上げた理由を教えてください。またSmart Belleブランドが取り扱っている製品の特徴を教えてください。

1970年代のDumbleアンプを演奏して感激したことがあります。80年代のDumbleアンプを好きになったことは一度もなく、所有していたこともあったのですが、売ってしまいました。70年代のDumbleアンプだけが独特なオーラを放っていました。Smart Belleを始めたのは、本物の70年代のDumbleアンプを買う余裕がなかったので、70年代のDumbleスタイルのアンプを作りたいと思ったからです。

私たちの製品全てに共通しているのは、最高のトーンを生み出すために最高品質のパーツを使用していることです。

Smart BelleはLanceさんが必要だと思う機材を作っていくブランドだと考えてよろしいでしょうか。

そのとおりです。Smart Belleが開発したソリッドステートモデリング技術は、市場で他に類を見ないものです。

ご自身がプロギタリストであることがSmart Belleの製品開発にどのように役に立っていますか。

私はツアーを行ったり、アリーナ、野外フェス、小さなクラブで演奏してきました。このような経験が、ギタリストに必要な機材についての見識を深めてくれました。

Belle Fuzzを開発したのは、私が使っていたヴィンテージのファズペダルが野外ステージで熱を持ちすぎて、酷いサウンドになることがよくあったからです。Belle Fuzzにはアナログ技術が採用されており、故障の心配なく、素晴らしいヴィンテージトーンを奏でます。ゴーストノート(演奏した音と同時にそれよりも低い音が鳴ってしまうこと)やグリッチ(「ブッ」や「チリチリ」などのノイズ音のこと)を発生させるヴィンテージファズにありがちな、皆が大好きな、ある種の壊れたサウンドをプレイヤーが調整できるようにするためにBelle FuzzにはBiasノブを搭載しました。Belle Fuzzを使えば、Tone Bender Mk 2のヴィンテージトーンを手に入れることができるのは勿論、フィーリングも自分の好みに調整することもできます。

Belle Fuzz、Golden Armadilloの2機種のファズペダルを販売されていますが、ファズペダルに強いこだわりがあるのでしょうか。

ファズは大好きです。優れたファズは実に多くのニュアンスを生み出すことができます。ギターのVolumeノブやToneノブを操作するだけで、サウンドを信じられないくらい変化させることができます。私はBelle Fuzzをライブの間中ずっとオンにしたままにしておいて、ギターのVolumeノブだけを細かく調整することで、複数のクリーントーンを使い分けることもあります。

BelleFuzzはヴィンテージToneBenderをツアーで使用することにLanceさんが頭を悩まされていたことから開発されたと伺いました。どのような点に頭を悩まされていたのでしょうか。またその問題点をどのように解消されたのでしょうか。

 

前述の通り、ヴィンテージファズの中には暑さや寒さによって悪影響を受けるものがあります。私たちは、微調整が可能で、どのような環境でも完璧に機能する、素晴らしいヴィンテージサウンドを奏でるペダルを開発したいと思いました。

BelleFuzzはVolノブとAttackノブといった一般的なコントロールに加えて、ToneノブとBiasノブを搭載しています。これらのノブを搭載した理由を教えてください。

Belle Fuzzの回路はTone Bender Mk 2と多少似たところがあります。

Fuzz Faceのサウンドに似せるために高域をロールオフしたり、Tone Bender Mk 2スタイルのサウンドを得るためにトーンを全開状態にするためにToneノブを搭載しました。Biasノブを使うと、ファズの応答性を変化させたり、倍音やゴーストノートを加えることができます。また私たちそのようには使いませんが、Biasノブをかなり下げると、飛んだスピーカーのようなサウンドを作ることもできます。

 

YouTubeにアップされているGolden Armadilloのデモビデオでは素晴らしいウーマントーンが奏でられています。このペダルはどのようなサウンドを狙ってデザインされたのでしょうか。また、所謂TS系やDISTORTION+等の従来のペダルとは一線を画す画期的な回路設計を採用しているそうですが、どのような点が独特なのでしょうか。

私たちのチームが考案した “秘密のレシピ” により、太く、深みがあり、力強いトーンが得られます。Golden Armadilloのようなペダルは他にはありません。

私たちは、他とは一味違うものでありながらも、使いやすさを損なわない製品を作りたいと思っています。そして、その試みは成功していると思います。

 

Smart Belleはエフェクター以外にも、SR-71、P-51、P-38、Wolfhoundといったアンプもリリースしています。これらのアンプについてもお話していただけますか。特にSR-71は真空管を使わないソリッドステートのDUMBLEクローンアンプです。ソリッドステートでDUMBLEクローンアンプを作ろうという野心的なアイデアはどのようにして思い付いたのでしょうか。

 

私たちのソリッドステートデザインの技術者は、アナログの真空管モデリング技術を使用して、あらゆるヴィンテージアンプやモダンアンプの回路のトーンやフィーリングをそっくりそのまま再現することができます。一切、フィーリングや応答性が失われることはありません。失われるものがあるとすれば、重量や真空管交換の手間等くらいでしょうか。

現時点で、Smart Belleが取り扱っているのは70年代のDumbleスタイルのアンプのようなサウンドを奏でるSR71です。

Trainwreckスタイルのアンプの発売も控えています。また約4.5キロの小さなパッケージで、Marshallのトーンが最高だった時代の全てのトーンを再現するアンプも製作中です。シェルケースタイプのヘッドは採用せず、アンプの上に置いたり、ラックマウントできる小型で軽量の筐体を採用する予定です。

現在、私たちはSmart Belleを次のレベルに引き上げるために、資金を提供してくれるパートナーを探しているところです。

Smart Belle Amplifierの今後の展開予定を教えてください。

私たちは、フルモジュール式機材「500 Series」の設計を進めています。ギタリストは500 Seriesの筐体を購入すれば、最大8台のエフェクトやアンプモジュールをラックに搭載することができます。

500 Seriesにはスイッチング機能が搭載される予定です。この機能によりラック内の全てのユニットを組み合わせたり、切り替えたりすることで、素晴らしいトーンが得られます。デジタルモデラーのようにマニュアルを読んだり、膨大な数のパラメーターの設定の仕方を学ぶ必要はありません。

日本のSmartBelleファンに一言お願いします。

Smart Belleを応援してくださり、本当にありがとうございます。そう遠くない将来に新しい製品をお届けしたいと思っています。また私自身も日本を訪れるのを楽しみにしています!

最後に、これは製品とは関係ないのですがSmart Belleのロゴになっているメガネとはハイヒールが印象的なマスコットガールは実在しているのですか?

はい!彼女はCariというオースティンの朝食レストランで働いていた実在の女性です。彼女は才色兼備ですが、ただ綺麗なだけでなく、一日中、トーンのことについて語り合うことができるような素敵な人です。

Jimmy Sakurai plays Smart Belle Fuzz

Shibasaki Hiroshi plays Smart Belle Fuzz

Takayuki Hijikata plays Smart Belle Fuzz & Golden Armadillo

Shunji Takenaka plays Smart Belle Fuzz