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Voice from 今剛

Q.1

今さんに最初にお会いしたときは20Uラックを使用されていたと思います。
それからFractal Audio SystemsのAxe-Fx II、AX8 に移行されて、現在はAxe-Fx IIIとFM9ですが、それぞれの特徴や違いを簡単に教えてください。

 

A.1

基本的にやろうとしてる事はいまも同じで、スイッチ1つで複数のエフェクターが切り替わって、瞬時にガラッと音色が変えられるというのを追求してます。

Fractal ⅡからⅢ、AX-8からFM9と進化して、やれる事の範囲が広がり、切り替わる速度が飛躍的に早くなりました。

おかげで以前のように切り替わるタイミングを逆算して16分音符早めにフットスイッチ踏んだりする必要が無くなったのでより一層プレイに集中できるようになりました。

Q.2

Fractalでプリセットを作る際の順序は決まってますか?

 

A.2

Fractal ⅢとFM9になってからはまずinputとoutputを両端に置いて両端を繋ぎます。その次に左からamp→cabi→EQの順に並べて基本的な感じを作ります。それから右半分の所に空間系のeffect blockを並べていきます。

例えば、chorus→delay→reverbみたいな感じです。

それから微調整を繰り返して曲の雰囲気に寄せて行きます。

 

 

Q.3

今さんのリハーサルを拝見していると、本番直前までイコライザーを調整しているように見受けられます。 あれは全体のアンサンブルや音のバランスに対して行われているのですか?

 

A.3

ライブハウスのような比較的小さなハコでスピーカーキャビネットを鳴らす場合はステージの作りや材質による低域の共鳴に気を使います。特に100Hz前後の膨らみはアンサンブルに大きく影響しますし、ギターの音自体のヌケも悪くなるので重要なポイントだと考えています。

Fractal ⅢやFM9になってからはTuner Modeにすると周波数が表示されるのでスペクトラムアナライザーとか使わなくても簡単にその帯域を特定してEQできるのでとても重宝しています。

 

Q.4

リバーブの長さや深さを設定する場合は、何を基準して行われていますか?

 

A.4

Reverbは曲の雰囲気に大きく影響するので使い方によっては最強のエフェクトだと思います。

少人数でのアンサンブルの時にはもの足りないところを補ってくれます。リズムカッティングなどには短めのRoom系、ギターソロには長めのHall系やPlate系といった具合に曲中で変えたりする事は良くあります。

Q.5

プリセットの制作=音作りでいちばん大切なのは何でしょう?


A.5

Output Level です。

その曲の中、もしくはセットリストの中で1番盛り上がって最大の音量になる部分のLevelを最初に決めて、そこから引き算して他の曲のバランスを取って行くと作りやすいです。

DistortionやCrunchよりCleanの方がPeak成分が多いのでLevelを沢山喰います。

DigitalはClipに弱いので要注意です。


Q.6

今さんのプリセットを購入されたかた、音作りに悩んでいる方にアドバイスがあったらおしえてください。


A.6

ただやみくもにプリセットを作ろうとしてもうまく行かないと思います。
もし題材となる曲があれば、その曲で自分はどのようなプレイをしたいのか?なんて事をイメージしながら音作りをすれば、
歪み具合やトーンの感じは曲に合っているか?
エフェクトは多過ぎないか?
Soloがあればバッキングとのバランスはどのくらいだろうか?
ブレイクがあるからDlyのon/offはあった方が良いな…

といった具合にやるべき事が見つけやすいですよ!

 

このプリセットは僕が実際に使用している実践的なサウンドですので各プリセットに大きな違いは無いと思われるかも知れませんが、実はEQの設定やディレイやリバーブ設定が微妙に異なります。

この微妙な違いが先にお答えしたアンサンブルへの影響やギターの音自体のヌケに作用しています。

プリセットはバックアップを取ればいつでも戻せるので、大胆に弄くり回して”自分の音”を見つける手がかりにしていただけると嬉しいです